そして漢方薬にも手を出す
きょうは抗癌剤第2クール3度目の投与日。
術後の転移が判明したあとに抗癌剤を始めて8ヶ月になる。
まぁよく生き延びているほうではないか。
場外乱闘はこれからだ(©️椎名誠)
前の晩からステロイドを大量服用するので、案の定、22時に飲んだステロイドが効いてきて、2時半ころにぱっちりと覚醒する。
倦怠感は無く、体調がとても良くなった感覚になる。
朝5時に爪を切ったりする。パンでも焼こうかと思いついたけれど、これは踏みとどまった。
恐るべしトランプ元気薬もといデクサメタゾン。
私が米国大統領だったなら、ノリで核ミサイルのボタンを押していたかもしれない。
ノリで。ダルイし、いやーワンチャン、何とかなるっしょ?みたいな。
それはさておき、爪切り。
老眼なので、手の爪を切るときにはハズキルーペが役に立つ。
今思えば、あれは100均の老眼鏡のボッタくり価格だけど(個人の感想です。)2年近く前に日本に行った時に、CMにのせられて買ってしまった。
派手なTVコマーシャルに沢山お金をかけただろうけれど、売れまくって儲けただろうな。
別に普通にルーペとして使えるので文句はない。
針に糸を通すときにも便利だよ。
そうだカナダに紅葉を観に行こうと言って、飛行機もホテルもレンタカーも鉄道もぜんぶ個別に手配予約をしていたのだけれど、カナダ入国時に新型コロナの抗体検査、アメリカ帰国時には PCR検査が義務づけららままで、カナダ入国はまだしも、アメリカに帰国できないと仕事や治療に影響が出るので、カナダ行きは断念して、何も検査も要らず、アメリカの免許証1枚持って出かけられるグランドキャニオンとラスベガスに行くことにした。
いや、ワクチンの接種証明は持っていくけれども。
これはまた道中記などを書く予定。
体調を整えて行きたい。
大儲けしたら、新車を買って、それからこんどはファースクラスで日本に帰国しよう。小儲けしたら新しいiPhoneに買い替えよう。
ワンチャンあるで。
むはははは。
さて漢方薬。
癌の治療というと西洋医学中心の「標準治療」ばかりしてきて、漢方はそういえば考えたことが無かった。
漢方は、癌治療そのものにというよりは、体質改善や抗癌剤の副作用で弱った身体に効果があるのではないか?と思い至り、色々と調べてみると、効果が見られるエビデンスがあると分かった。
日本では治療に取り入れる医師も多いらしいことも。
現行の標準治療を阻害することなく、体質の改善や抗癌剤の副作用を軽減出来るのであれば、これは助かる。
というわけで、カリフォルニアにある漢方薬を処方してもらえる日本の医師にコンタクトを取ってみた。
こちらの病状や抗癌剤の副作用の症状、食欲や肌の状態、体調や体重などを細かく問診して貰ったところ、「六君子湯」(りっくんしとう)と、「十全大補湯」(じゅうぜんたいほとう)という2種類の漢方薬を勧められた。
曰く、六君子湯は、『五臓である肝、心、脾、肺、腎の中の「脾」の働きを助け、温かい陽の気を育む。漢方医学でいう「脾」は胃腸を含む消火器系統のコントロールタワーと考えられており、この脾の働きが助けられることにより、胃を開き、食欲を増進させ、代謝をよくすることが可能になる。胃腸が虚弱で胃の中の水はけが悪い状態にもちいまる。具体的な症状としては、食欲がなく、元気がなく、手足が重だるい。食後に眠くなりやすい。下痢しやすいなどの状態を癒す。』
十全大補湯は『過労や病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、寝汗、手足の冷え。貧血、膠原病、各種の腫瘍に用いられる。やせて顔色が悪く、食欲なく、全身や足腰が痛むときにも使います。したがって、制癌剤を服用したり、末期ガンで体力の低下した方にも用いられる。ガンでなくとも、体力低下の見られる方であれば、随時服用することができる。
病名列挙:
過労、体力低下、疲労倦怠、食欲不振、寝汗、手足の冷え、貧血、膠原病、各種の腫瘍、全身の痛み、足腰の痛み、制癌剤使用後の体力の低下、末期ガンでの体力の低下など』とある。
「末期ガン」と書かれているとギクリとするけれど、まぁまだ末期ではないいし、その末期ガンが、人生の末期より先に来るとかどうかは誰も分からない。
日々、機嫌良く暮らすことだ。
まぁ、物は試し。
オーダーしたら2日で届いたので、一昨日から服用を始めたところ、早速効果らしきものがあった。
どちらが効いたのかは分からないけれど、まずは食欲が少し出た。
これまでは調子が悪いと、全く食欲が無く、そろそろ時間だから食べておかないと、と思って食べることも多かった。それが、昼や夜に少しお腹が空いたかな、と何となく思うようになった。
それから吐き気が軽減した。吐き気というか、抗癌剤の副作用であるところの胸のつかえ感なのだけれど、これに吐き気止めの薬が要らない程度になった。
便通が驚くほど良くなった。しかも自然な感じに。
尾籠な話で恐縮だけれども、便秘は辛い。
抗癌剤の副作用のそれはなかなかのもので、体質や、最近あまり食欲がなくて食べられていないというのもあるかも知れないけれど、癌の治療を始めるまでは、便秘何ですかそれ?というくらい便秘知らずに生きてきたので、あの不快感は堪える。
加えて、抗癌剤を適宜代謝させる為にも、適切な排泄というのは欠かせないと思うのだ。
というのは、先週は抗癌剤を打った水曜から月曜日まで6日間、熱と倦怠感に苦しんだのと、便秘していた時期と一致する。それが解消すると、汗がどっと出て、熱が下がって身体が少し楽になったのを経験しているからだ。
排泄は大事。
本当に尾籠な話で申し訳ないけれど、誰かの役に立つかも知れないと思って、こうしてありのままを書いておく。
というわけで漢方。
まだ服用し始めて4日くらいだけれど、悪くないどころかいい感じなので、続けようと思う。
値段もさして高額ではないし。