断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

毛生え薬は抗癌剤の脱毛に効くのか?

「放射線+抗癌剤 vs. 毛生え薬」という話だ。

注意

このエントリは、すべて一個人の体験に基づくもので、科学的な手法によって実験検証されたものではありません。放射線および抗癌剤の副作用による脱毛、男性型脱毛症の外用薬、内服薬については、医師および薬剤師に相談されることをお勧めします。

 

結論から書くと、私の場合は、放射線や抗癌剤での脱毛は無かった。むしろ髪が増えてるんじゃないか?とも思えるけくらいだれど、それはたぶん髪が伸びただけだ。そしてそれが毛生え薬…育毛剤と言おうか発毛剤と言おうか養毛剤の効果なのかどうかは定かではない。

 

閲覧注意

以下、齢51歳のオッさんの薄い頭髪の写真が続いて見苦しいかもしれない。けれども、これも放射線や抗癌剤治療を受けている誰かの参考になれば幸いと思い、記録として残しておくことにする。

 

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4/24/2020 放射線23回+抗癌剤5回投与終了2週間後。

放射線は23回合計41.4 Gyを、食道癌患部に照射。抗癌剤はパクリタクセル(100mg)+カルボプラチン(274mg)を週に1回、合計5回の点滴を受けた。

遡って2ヶ月ほど前、放射線照射&抗癌剤投与治療の前に、ワークショップ、勉強会というか研修会というかクラスのような集まりに参加させられた。

講師である看護師は、副作用が必ずあるから、覚悟と準備をするように、と言う。個人差はあるものの、と前置きをして、主な副作用として、吐き気、食欲不振、倦怠感、筋肉痛、痺れ、脱毛、便秘、下痢、発熱…などがあるのの、全て一時的なもので、治療が済めば元に戻るというものであった。

であったけれども、極私的にはもともと薄くて毛生え薬を塗ったり飲んだりして、辛うじて頭皮を覆っている毛髪は、放射線と抗癌剤には耐えられないだろう。不可逆的に絶望的な脱毛に至るかもしれないな、と覚悟をした。いざとなれば坊主だ。命には代えられないし、それも一興か。と専用(?)の帽子も買った。

 

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『男性用抗癌剤脱毛帽子』とはまたストレートなネーミングだけれど、確かにそのとおりだし、"cancer, hair loss, men's cap"で検索してヒットした。

 

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3/22/2020 放射線照射8回目、抗癌剤2回目投与後(開始2週間後)。

医師や看護師の説明に加えて、自分で調べたところによれば、毛の生え変わるサイクルなどから、おおむね抗癌剤投与2週間後から脱毛がみられるという。写真では何だか頭頂部が薄いけれど、これはもともとだ。風呂に入って洗髪しても、抜け毛が増えた感じもしない。頭髪だけでなく、体毛も抜けるというが、それも普段以上に抜け落ちてはいない。もしかして脱毛しないかも?と途中で思った。

 

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4/15/2020 放射線23回照射終了10日後、抗癌剤5回投与終了後1週間。

やはり頭髪は変わらない。

「毛生え薬」は、男性用「ロゲイン」のジェネリックの「ミノキシジル5%」液体のものを、用法どおりに頭皮に塗布。30代の後半ころから、かれこれ15年くらい使っている。フィナステリド、商品名「プロペシア」は、1mgを、6,7年前から服用している。これは主に「育毛」の効能が主なようだ。

以上、極私的な体験としては、放射線+抗癌剤 vs. 毛生え薬は、毛生え薬の勝利となった。

これはあくまで極私的な経験に基づくもので、癌の種類や治療方針によって、人それぞれ放射線の強さや照射部位、抗癌剤の回数や量は大きく違うだろうし、年齢や性別、遺伝的な体質や放射線や薬物への感受性の違いも様々に影響するだろう思う。「毛生え薬を塗布+服用すれば、放射線+抗癌剤で毛は抜けない」と、一般論としては言えない。あくまでも「そういう人も居る」程度に思っていただきたい。

繰り返しになるけれど、育毛剤の塗布や服用は、健康を害する恐れもあるので、必ず医師や薬剤師に相談していただきたい。

現場からは以上です。

筆者追記:(フィナステリドは、アメリカでも医師の処方箋が要る。これが保険の適用がなく高い。ネットで検索をかけると、1錠$1以下で売られているサイトも見つかる。(敢えてアドレスなどは載せない)興味本位で何度か試してみたところ、発送元は100%インド。薬自体は真っ当だと思うけれど、いちどクレジットカードの情報を抜かれて少し面倒なことになったので、利用はあくまで自己責任で。)