スコーンを雑に焼く
朝、ベッドのなかで目が覚めて、何だかスコーンが食べたくなった。
昔働いていたベーカリーの夢を見て、よく作っていたからかも知れない。
スコーンというのはあれだ。材料をざっくりテキトーに混ぜて焼けば直ぐに出来るはずだ。
と思って横になったままレシピを調べると案の定、材料は全部あるし、生地はオーヴンを予熱してからでも直ぐ出来る。
起き抜けに作ることにした。
体調はあまりよくないけれど、2-30分くらい立っていられるだろう。
個人的な好みとしては、スコーン(やマフィンなどは)レーズンやクランベリーやオレンジピールなんかを混ぜ込んで焼いたものが好きなのだけれど、家人はドライフルーツ特にレーズンを好まないし、まー初回で実験的な作成ということで、チョコチップを混ぜ込んでみることにした。
アメリカンだな。
パントリーから粉やらベーキングパウダーやらチョコチップを引っ張り出して、冷蔵庫からバターと牛乳と卵を出す。
テキトーに混ぜて400F°で焼く。
途中キッチンタイマーが止まる。前から調子が悪かったのだけど、やっぱり新調しなきゃかな。
焼き上がりがこちら。
全くもって雑で、極私的なスコーンの理想に近い。
もう少しに雑に膨らむかと思ったのだけれど、ベーキングパウダーが古かったかも知れない。
焼き立てを食べたけれど、ややしっとり。
スコーンは、完全に冷めてからのほうがザクザクして美味いと思う。あとで完全に冷めたのを食べたけれどザクザクして美味かった。
粉260g(薄力粉200g+強力粉60g)、砂糖25g、ベーキングパウダー20g、塩3つまみくらい(無塩バター使用のため)、無塩バター60g、溶き卵2個分+牛乳合わせて180g 、ほか、ドライフルーツやチョコレートチップが好みならばテキトーに。あと打粉。
薄力粉と強力粉の配合はお好みで。アメリカで売られているAll purpuse flour でもokだと思うけれど、薄力粉多めのほうが、より軽くザクザクの出来上がりになるはず。生地は決して練らず捏ねず、スケッパーでバターが溶けないように、スケッパーでテキトーにまとめて3、4回畳む程度にテキトーに。なんなら生地は割れても大丈夫。焼けばくっつく。2〜3センチの厚さに延ばして焼く。
素早さと雑さが大事。
(ここから暴論)
スコーンは、もとはスコットランドあたりの食べ物で、グルテンの乏しい小麦粉(薄力粉)とバター、牛乳を混ぜて焼くパンのような素朴な食べ物だったようで、後にイギリスに広まり、後に一部では、ハイソサエティな人々の午後のお茶(ハイティー)のメニューのひとつ加えられるようになったようだけれど、そのハイティーでさえ、おそらく元々は、肉体労働をする農民の遅い午後(緯度が高いから、夏場は遅い時間まで明るい)の、もうひと働きするための腹ごしらえオヤツ的な位置付けだったのだろうと思うのだ。知らんけど。
というわけで、スコーンは雑に焼いてこそスコーンなのだ。ザッと焼いてワシっと食う。保存も効く。
ケダルイ午後に、小洒落た格好をして、フニャっとダルく泡だてたクリームなんかを塗りたくってモサモサ食べている場合ではないのだ。
それはそれで美味いのかもだけど。
(暴論終わり)
さて。
アメリカはThanksgivingの週で、何となく静かな始まり。
私の仕事も有給やら代休やらを都合して、4連休。
低空飛行で思わしくはない身体を休めるのは有り難い。
早速午前中から医者から連絡があり、週明けに眼の検査(帰りは運転するなと言われたから、眼底か何かの検査だろう)、それから心臓のエコー検査、来週末にCTスキャンの予約が入った。
入ったというよりは、日時を決め打ちされてこの日時に来いと言われた。
幸い仕事の予定は柔軟に取っているので。対応できるけれど、その有無を言わさぬぶりにアメリカの医者らしからぬ雰囲気を感じた。
ああそういえばこれは治療ではなく治験。
私はボランティアの実験台なのであった。
予定の入っていない残りの検査は肝生検(biopsy)で、これはまた追って連絡があるという。
これらを全て終えてから、やっと投薬が始まる。
早くて12月の2週目になるのかな。
それまでは食べて寝て、体力と体重を落とさないようにやっていきたい。