断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

機械の身体

たしか、松本零士の漫画•アニメ「銀河鉄道999」は、裕福な人間が永遠に生きられる機械の身体を手に入れているのを羨んだ貧しい少年の哲郎が999に乗り込むという話しだったと思う。美しい母親が裕福な人間の「狩猟」の対象になって殺されて剥製にされたというエピソードがあったかもしれない。(うろ覚え)

アニメ版をテレビで見ていた子供の頃は、毎回毎回の停車駅の不思議な時間と空間とその星の不思議な生活文化を面白いナァと思って見ていたものだ。空気で膨らましたオムライスとか。

ううむ。

が、旅の目的の永遠に生きられるという機械の身体よ。

癌になり「余命」を考えたりする私は、別に永遠に生きたいとは決して思わない。けれど、52歳のいま、もう少しくらい生きたいとは思う。贅沢は言わないあと15年くらいで良いんですけども。ぜひお願いします。大人しくしてるから。癌の方々にあってもあと15年くらい大人しくして置いていただければ幸甚至極です。と思うところのものであります。

ツラツラと思うに、外科手術は20代の頃の盲腸の手術に始まり、扁桃腺の切除やら(これも20代)、歯は差し歯やらインプラントやら、そして去年に至っては12時間の大手術で背中と腹部を切開して、下部食道と胃の上部を切って繋いでもらった。そして先日は化学療法の為のCVポートというものを鎖骨のしたに埋め込んだ。

「機械」は入って無いけれど、冷静に考えればかなりの人造人間ぶりではないか、と思う。生まれ落ちてくる場所と時代によっては、もう3回くらい死んでいてもおかしくはない。という危うさで生きているのだ私は。「機械の身体」ではないけれど、もうじゅうぶん「現代医療技術で生きながらえている身体」だ。もはや生かされていると言って良い。

有り難い。ありがたい。

そしてそのありがたい身体でアンタ何したいのだ?

と日々問われている気もする。

人間としてやりたいことは、分かっている。人様の役にたつこと以外に無い。今考えられる生きる意味はそれしかない。楽しくしていてば周りの人も少しは楽しくさせられるかもしれない。困っている人がいれば出来る限り手助けしよう。そういうところを立ち位置としたい。f:id:dv6:20210208065408j:image