断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

まだ死ぬわけじゃないしな

肝臓に転移の疑いあり、と言うショッキングなCTスキャンの検査結果をみて、はや4日。検査結果を読んだだけで医者には会えて居ないので、今後の治療方針やら何やらはまだ何も分からない。しかしながら調べるとあまり良い話は出て来ないので、まぁ最悪の事態の覚悟はした。家人も私が居なかった宿直勤務の夜にたぶん色々考えただろう。帰宅するなり「日本に帰ろう。」とポツリと言った。まぁたしかにアメリカでは死にたく無いし、家人ひとりで後始末は、大変だ。わたくしとてアメリカで死にたくはない。(もっとも、終末医療や緩和ケアは、アメリカの方が進んでいて、無用な延命治療は断れるし、医療用大麻などもガンガンくれるというし、苦しまずに最期を迎えられるだろうな、とは思うのだけれど。)

医者に会って、治療方針次第だけれど、家人と相談の結果、可能性があるのならばもう少しアメリカに残って、可能な限り働きながら治療を継続、見込みが薄く緩和治療に移らざるを得ないのなら日本に帰ってそこで最期を迎えようという方針で合致を得た。

帰国するにしてもそれはなかなかのハッスルで、今住んでるコンドを売却するとか日本での住処を見つけるとか、やる事が色々ある。もともとはあと10年アメリカでは働いでから日本でリタイア生活しようという作戦であったので、帰ることにはやぶさかでは無いけれど、10年前倒しとなると色々計算が違ってくる。日本に帰って、死ぬ私はいいとして、残った家人はどうやって食べていくのか?など、シビアなお金の計算もある。これに関しては、私が日本にいた頃に加入していた国民年金と厚生年金に加えて、アメリカのソーシャルセキュリティが、受給開始年齢になれば家人が受け取る権利があるので、何とかなるだろうと調べがついた。

日本に帰って、私の実家の近くに住めば、母親と実弟が住んでいるので、負担はかけるかも知れないけれど、家人ひとりよりは断然心強い。

…などということをこの3、4日考えていた。ずっと倦怠感が続いて微熱(37.5℃前後)があって調子が良くなかったのだけれど、酒を再び止めて、食欲もあまり出ないのだけれども食べるようにして、メラトニンとCBDオイルで寝るようにしてからは少し調子が上向いた気がする。少なくても怠くてキッチンに立つ気力もないということが無くなった。この調子で先ずは医者に会って治療に臨みたい。肝転移が確定診断されれば「ステージIV」だけど、まだ明日死ぬわけじゃないし、免疫治療など希望がある治療法もあるだろう。

というわけでわりと冷静に暮らしている。

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