断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

2月展望

1月は順調に滑り出したかと思いきや、夜中に病院に駆け込むほどの腹痛に見舞われ4日ほど入院した。原因は良くわからず、胆嚢炎や胆石の疑いで、ずいぶんと検査されたのだけれど、胆石は見つからず胆嚢炎でもないという。結局、胆嚢の下にある転移癌の在る肝臓からくるものだろうということで、数日分の抗生物質と、オキシコドンというオピオイド系の疼痛治療薬を処方されて帰宅となった。まだ時々100℃(38.5)を超える熱が出て、どこかの炎症のせいに違いないのだが、癌患者ではよくあることみたいな話しで、市販のアセトアミノフェン(商品名: タイレノール)をそのたびに頓服して凌いでいる。タイレノールは、というか薬という殆どの薬は肝臓で代謝されるはずなので、肝臓に転移癌がある身としてはいいのか?と医者に聞いたら、良いのだという。1日2000mg、つまり6時間おきに625g3回までは大丈夫だというのだ。現時点では数字の上では肝機能障害は出ていないのでそんなものかとも思うけれど、こちとら生きるか死ぬかの綱渡りなので、なるべく身体にダメージを与えたくないのだけれど、抗癌剤という強烈な毒薬をチューチュー注入している時点で生きるか死ぬかの戦いなわけで、まぁ身体が楽になればいいかと思って薬は飲む。

2月から3月にかけて、抗癌剤を2週間ごとにあと4回の投与ののち、CTでも撮って効果を診るのだろう。そうこうしているうちに検体を遺伝子パネルに出した結果次第では抗癌剤を変えるか治療方針が変わるのか、一つの方向性が決まるかもしれない。

ひょっとして容体が急変して死ぬかも知れないわけで、色々と片付けや整理がしたいのでぼちぼちやっているが全ては難しいかも知れない。

最重要なものから粛々と片付けている。具体的には遺言書だ。日本もそうだけど、特に争う人が出て来なくても、本人が死んでしまうと財産は裁判所に凍結されてしまい、合法的な相続者が然るべき種類を揃えて申し立てないといけない。面倒のだ。私とて前妻や隠し子が居るわけではないので、はい死んだら家人に全部貰ってもらえばいいだけなのだが、ここで遺言状が効いてくる。公証人にサインしてもらった遺言状があれば、裁判所も小うるさいことは言わず、意義を申し立てるものがいなければあっさりと手続きが済む。家人の手間が減る。私がこの異国で死んでしまえば、ただでさえ面倒なことがたくさんあるだろうから、そういう手間は少なくしておいてやりたい。死ぬよりも死なれる方が絶対大変だな。

2月はまだ抗癌剤や癌の疼痛のバランスというか薬のコントロールをもう少し上手くやって、まだ働いているし抗癌剤の効果に期待しながら春を待ちたい。希望はある。ああそれから家人の誕生日があった。何かケーキでも作ってあげたい

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