断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

術後5ヶ月

職場の検診で、胸部レントゲンを撮りにきた。今年は、年初から食道癌の検査と手術と入院治療で、レントゲンもCTスキャンも(入院中は毎日)、数十回は撮ったと思うのだけれど、まだ撮るのか。もはや被曝が云々とか、煮るなり焼くなり好きにしやがれ、という江戸っ子の気分だ。知らんけど。

アポ無し、というかアポを受け付けないのでフラリと来たら1時間待ちだという。月曜日の午前中という中途半端な時間に来たのが失敗だったかと思ったけれど、仕事の都合で、他の日程が取りづらいので仕方がない。間隔を空けて座れという椅子は満席だ。

 

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早いところ済ませて帰りたいが、出かけるのが嫌過ぎて、伸ばし伸ばしにしていた買い物もしないと食料が無い。アジア系スーパーとアメリカのスーパー、それとドラッグストアとガスステーション、合鍵を作りにハードウエアストアにも寄りたいし、先は長い。

予告された通り1時間待ちでレントゲンを撮ってもらう。職場の検診担当の医者には、食道癌で手術したと話してはあるが、さてレントゲンで何と言ってくるだろうか。

買い物などを済ませて帰宅したら13時を過ぎていた。昼食にモヤシを炒めてラーメンをつくる。まぁ美味いね、と家人とずるずると食す。

そうだ。術後5ヶ月経った。

体調はまずまず。時々なんだか酷い倦怠感がやってきて、横になりたくなるのだけれど、これが手術の影響なのか、はたまた何か他の病気なのか分からず様子を見ている。けれど、たぶん酒の飲み過ぎと睡眠不足だ。昨夜はそう思って酒を控えめにして、メラトニンと睡眠薬を飲んで寝たら9時間も睡眠が取れて身体が軽い。薬ってのは凄いなぁと思う。そして睡眠は大事だ。今はいい薬があるので、薬を飲んででも眠りは確保するべきだと思う。

倦怠感のほかは、2週間ほど前からプールで泳ぎに行くのを復活したくらいで、調子は悪くない。泳ぐのは7ヶ月ぶりだ。背中と腹の大きな手術あとが人目を引くかなと思ったけれど、プールは入場人数を制限していて、それほど近くに人が居ない。見知った顔のスタッフやインストラクターも居たけれど、やー久し振りーなどと挨拶をするくらいで、痩せて手術痕のある私に特に注意を払わない。みんな大人だな。知らんけど

術後5ヶ月、最初の1ヶ月は普通に歩くのがやっとで、そのあと散歩するくらいがせいぜいの運動だったから、体重も落ちたし筋力も確実に落ちた。泳いでいると良くわかる。プールから上がるときに、水中から飛び上がるようにして出るのだけれど、思っていたよりも足にも腕にも力が入らず、やっと這い上がれたときには少しショックだった。まぁこれから回復させていくつもりだ。心肺能力はそれほど悪くない。無理をしなければ40分で1マイル弱、以前のペースで泳げることに安心した。

食事の量はあまり変わらず。少なめの一人前程度なら食べられる。脂っこい肉なども食べられるけれども、やはり消化が遅く、たとえばそれを昼に食べてしまうと夜は食欲が湧なくなる。ハンバーグならば幾分消化が良いようだ。などと色々学習した。野菜たっぷりの湯豆腐などは酒にも合うし、私にように胃を切ってしまったものにはなかなか素晴らしい食事だと思う。麺類は食後に胃の中で膨れるので太麺は要注意。素麺や細めのパスタは良いようだ。

ただし、食欲というか「おなかが空いた!」という感覚があまり出てこない。食欲がないというのとも違うので、食べれば入る。食べなければそれで済んでしまう。これが少し厄介なので、三食何かしら食べるようにはしている。あまり体重を落としてもよくない。その体重といえば、さいきんは安定している。74~5kg。身長が181センチなので、BMIは23前後で「標準体重」だ。食事の制限などはなく、好きなもの、ときにはジャンクフードも食べるけれど、何せ量が食べられないので、カロリーも制限されてしまうというわけだ。これはもしかして良いことなのかもしれない。「満腹感」の前に「不快感」が食道と胃に閊える感覚で来るのが嫌だけれども。

ともあれ順調。と思いたい。

来年の1月に術後さいしょのCTスキャンがある。