断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

夢の後ろ姿に手を合わせる (山頭火)

手術後25日目、自宅療養12日目。

昨夜服用したメラトニンのせいか、わりとはっきりした夢を見る。50年も生きていれば、人生やり直したいことの1つや2つあるわけで、それが相手があってのことだったりすると、もはや月日は取り戻せずやり直しも無理だ。そんな30年前くらいの頃のことを夢に見て、嗚呼その節は至らなかった申し訳なかったどうか達者で暮らしていて欲しいものだ、と目が覚めてから手を合わせるしかない。

「夢の後ろ姿に手を合わせる」(山頭火)

いや種田山頭火はそんなこと言ってない。放哉も言ってない。私が今思いついた。

どうかお元気でお幸せに。

朝起きて、都知事選のゼロ確を見て、なるほどー…と思いながらヨーグルトとコーヒー。9時半ころリハビリ散歩に出る。日差しは容赦なく、きのうより少し蒸す。午後に雷雨の予報。確かにひと雨ザッと欲しいところだ。日陰だけを探して歩いて5,500歩。もう少しと思ったけれど、暑さに挫ける。帰宅してシャワーを浴びて、腸瘻 tube feeding回りを清拭してガーゼを張り替える。今日も勝負あった。ノルマはこなした。

昼は、かねてから食べたいと思っていたオムライスを作る。麦飯250gに卵3個、鳥モモ肉1枚100gくらい、玉ねぎ半個、バター、ケチャップ、市販のドミグラスソース。味が濃く出来て美味かった。ビールか微発泡性の白ワインが欲しいところだ。私が1/3弱、家人が2/3弱食べた。少し残す。少なめの1人前ならば外食出来そうな自信が出てきた。どのみち普段暮らしているこの国では全く外食しないので、日本や他の国に旅行で出かけたときの話しだけれど。寿司が食べたい。

口からどくらい食べられるかは、腸瘻 tube feedingを外す目安となる。そして胃腸の容量や処理能力もさることながら、確実な嚥下機能が確認されないと医者は普通の食事を摂ることを認めない。誤嚥して肺炎にでもなったら大変なことになるからだ。食道癌の手術ではこの嚥下と、発声を司る「反回神経」に障害が起きやすいらしいのだ。幸いというべきか、私の癌は食道の最下部、胃との繋ぎ目あたりにあって、これを切除したものの、口から喉、食道の上部は残して胃と繋げたので、嚥下の感覚や機能に、違和感はない。ただ胃に飲食物が落ちていくという感覚は無くなった。ともあれ、この「嚥下」テストを3日後の検診の時に受ける予定になっている。問題なしとなれば、食事の制限も解かれるだろうと期待している。ひょっとして腸瘻 tube feedingも外して貰えて自由の身になるかもしれない。と言いつつ、オムライスだの食べるのは、ちょっと医者の許可が出るまで本当はダメなんだろうなぁ、というものも食べている。

そういえば昨日、卵かけご飯を食べて24時間以上が経った。お腹は壊さなかった。中らなかった。ナイス。今後も卵かけご飯は食べていこう。

 

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 昼寝を少し。雷雨は期待したほど降らず、掠めていった。

夕食はオムライスの残り、3,4口ぶんに、ジャガイモの味噌汁。家人はアボカドと納豆の素麺にスモークサーモンを乗せた野菜サラダ。わたくしも納豆をひと口貰った。納豆は豆類では一番消化がよい筈だから、問題ないだろう。久しぶりに大量に自作しようかと考えている。部屋中が納豆臭くなるけれど、それも一興。しらんけど。

日本のAmazonで本をオーダーする。法外な為替レートで「洋書」を買わされていた20年くらい前とは隔世の感がある。10冊くらいオーダーして、グローバルなんとか送料が$25くらい。格安でありがたい。

明日は水曜の医者との面談のために、胸部腹部X線を撮りに行く。暫く車を運転していないけれども動くのかどうか少し心配ではある。たぶん大丈夫だろう。