アメリカ毎月$2,000を6か月間追加支給?
金星がずいぶん高い位置で明るい。
近頃は飛行機があんまり飛んでいないので、よく目立つ。その明るさと独立した美しさゆえか、想像力豊かな古代の人びとは洋の東西を問わず、女性的な名前を付けて愛でていたというのは少し興味深い。
「金星」は英語ではラテン語由来の"Venus"と呼ばれるけれど、日本語では中国語由来の「金星」だ。ではなぜ「金」なのかというと、古代中国の「五行思想」という自然哲学の思想体系に由来するらしい。そしてその五行で言う「五臓」の「金」にあたる臓器は「肺」で、いま流行の病を想像せずにはいられない。
それはさておき。
けさ、銀行のアカウントをチェックしたら、$2,400振り込まれていた。アメリカ政府のSARS-COV-2の経済対策給付金で、おとな一人$1,200 x 2人ぶんで、$2,400。なかなか仕事が早いと思った。話がまとまって2週間くらいじゃないだろうか。
しかし、$2,400では、失業してて収入が無ければ1か月分の生活費にも足りない。都市部で家賃と食費と光熱費、電話とインターネットネットと車の費用、それから保険料でも払ったら、医療費も被服も外食交際費も娯楽もゼロでも、確実に足が出る。16歳以下の子供が居れば、ひとりあたり$500が追加されるけれど、食事や学費や教材、保険や積立でもっとお金がかかるだろう。
そんなアメリカでは、一部議員から早くも追加の給付金の提案が出されてたの報道がある。
記事によれば、16歳以上の大人に、最低でも6ヶ月間、16歳以上の労働人口が60% 以上に達する状況になるまで、毎月$2,000を支給する。というものだ。ずいぶん大きくブチ上げたものだけれど、それほどアメリカの雇用統計が悪く、経済が落ち込み、失業保険給付申請がとんでもない数に及んでいるということだ。
もっともこれは「提案」で、明らかに11月の大統領を意識した野党、民主党議員の揺さぶりみたいなもので、莫大な費用を必要とするこの案が、そのまま議会を通るとは考えにくいけれども、失業して雇用保険の受給を受けている人たちにすれば、一回こっきりの$1,200ではぜんぜん足りないというのが実感なので、何らかの追加給付金をとの声は無視できないだろう。
宵越しのカネは持たないアメリカ人は多いので、納税や各種ローン、クレジットカードの支払いに至るまで、「繰り延べ支払い延期」の措置は幅広く取られており、銀行ならばそのウエブサイトにいくか電話でもすればわりと簡単に話が済むようになっているようだ。
ローン会社にせよ銀行にせよ、借り主に破産されるのは嫌うはずである。回収不能で損害を被るわ、面倒な手続きをふんで担保を競売にかけても担保割れもありうるわけで、少しくらい待って、ちまちま返して貰わないと商売が成り立たないわけで、相談してください、と、わりと必死に宣伝はしている。
さて、これからどうなっていくのか。
金星はあっというまに沈んでしまった。