味噌を仕込む
米州はPresident's Dayで祝日。
朝食は先日作ったチョコレートケーキの残りを30°くらい。
初老の2人暮らしには、6インチの小さなケーキでも、食べきるのに3日や4日はかかる。もう朝飯に食べるのもアリだ。
甘くて目が覚める。「おめざ」だな。
あんまり口の中が甘いので、塩気が欲しくなり、目についた「いかくんせい」をムシャムシャと食べる。こんどは塩っぱい。
コーヒーを飲み、口の中を何事も無かったことにする。
昼には少しマシなものを食おうと思う。
けれど、アレだ、きのう調子に乗って揚げたカレーパンが、昼食ドラフト会議第一回選択希望選手っしょ?っしょ??と言わんばかりに、キッチンに侍りおり。だ。
味噌を仕込む。
そろそろやらなければ、と思っていた、味噌の仕込みをした。
難しいことは何もないけれど、まる一日近く大豆に吸水させたり、煮あがった大豆は熱いうちに潰したりしなければならず、時間と気持ちに少し余裕がある時でないと、取り掛かる気がおきない。
今回の仕込みは大豆(乾燥重量で)600g。
吸水させて、ほぼ倍のボリュームになることを考えると、手持ちの圧力鍋では限界の量だと思う。
これを30時間ほど吸水させて、6分半ほど圧をかけた。
蒸籠で蒸しても良い(煮汁が出ないため味が良くなるという説あり)けれど、この量だと上下を入れ替えたりして、柔らかく蒸しあがるのに、1時間はかかると思う。
蒸しあがった大豆を、擂り粉木で潰して、塩きりした米麹と混ぜる。
(塩350g、米麹920g)
すりこぎ、といえば、「とん平のヘイ・ユウ ブルース」(1973年)である。
『人生はすりこぎだよ、お前baby!擦り減って味噌をつけて死んじまうんだ!』
『Hey you! What's your name? お前もいつか、すりこぎになるぞ!』
いやー名曲。音楽も素晴らしいし、ソウルフルなとん平のシャウトも良い。
この "What's your name?" というのは、トニー谷のギャグ(?)「あなたのお名前なんてーの?」の英訳なんだそうだ。
知らんかった、それは。
潰した大豆に塩きりした米麹をよく混ぜてものを、びっちりと適当な容器に詰める。
あーこの容器は去年まで糠床が入ってたやつだな。
去年は乳酸菌だし今年は麹か。なんだよオレもつくづく発酵に縁があるな。とでも思っているだろうか。知らんけど。
来年は発酵界のジョーカー、納豆でも仕込んでやろうか。
上からラップをピタリと貼ってからフタをして、空き箱に入れて部屋の片隅にでも安置しておく。半年から10か月ほど経てば、出来上がりだ。
カビ防止に焼酎を霧吹きするとか、ラップの上から淵に塩を置くとかする事もあるようだけど、まぁ、大丈夫でしょう。重石、も要らない気がする。
冒頭の写真のとおり、総仕込み重量は、2.23㎏となった。
※なお、手順や分量などは、勝手に「マルカワ味噌」(福井県越前市)さんのWebサイトを参考にさせて頂いております。感謝申し上げます。
半年から10か月先に完成する仕事をする。というのは、なんだか達成感が大きい。
やったぞ。してやったりだ。という気分になった。
今年は特に、半年から10か月後と言えば、 --- 現時点での予想でいえば --- 私の食道癌の外科手術も終わって、順調にいけば回復して職場に復帰しているころになる。
どうか、カビなど生やさずにうまく発酵熟成して再会しようではないか味噌、と少し祈るような気持ちである。
…というわりには、重石をしなかったり、カビ防止の塩を置かなかったり、雑な仕事なのだが、これはこれで失敗したときに言い訳ができる。じゃないか。