断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

ラスベガスで食べる。あとちょっとルーレット。

21世紀だというのに、禁煙ではないカジノにあまり興味は無いし、ショーやエンターテイメントのガチャガチャ煩いのも好まない。第一に人混は苦手だ。ショッピングにも全く興味が無いとなれば、ラスベガスでやることはただひとつ、食べることだけだ。

幸い、先週から飲み出した漢方が効いて、抗癌剤由来のうっすらした吐き気、胸のつかえ感も軽減され、食欲も少しは出るようになってきている。これは本当に有り難い。

なるべく美味いものを食べて、少し体重増やさなければ。(プロテインドリンクなどの栄養補助剤にもかなり助けられてはいるけれど。)

現状、身長180センチ、65キロくらい。BMI=20.06。

もともと痩せ型では無いし、ちょっとこれ以上体重を減らしたくない。

というわけでラスベガス2日目、ブランチに飲茶に来た。飲茶だ。

問題は。

こういう観光地に、一般的に美味いレストランが存在するのかどうか、ということだ。

観光地だから、店側は客層はリピーターを想定しないわけで、なんか派手目にテキトーなものでも出しておけば商売が成り立ってしまうんじゃないだろうかと思うのだ。

自分が経営者ならコストを減らしまくってそうする。

わざわざ手間隙をかけて美味いものを提供する理由に乏しい。一見さんの観光客相手ならば。

けれども昨日行って大当たりだった「居酒屋」のように、(客層から推察して)地元に住む人にも支持されている店が少なからずあってもおかしくはないとも思ったりもするのだ。

街の作りや構造によるけれど、例えば自分の住む東海岸の某都市ならば、観光客が行く店と地元の人間が行く店が自分にはわかる。

大概は住宅地と繁華街のあいだの、観光客が足を踏み入れないところに、点々とそういう店はあるものだけれど、繁華街の中でも地元の人に支持されている店は少なからずある。

と思う。知らんけど。

というわけで、飲茶だ。チャイニーズ。

事前の調査では、10時の開店で、10時半には満席になるということで、開店時間の10時を狙ってUberで店に来た。

事前の情報通り、開店前に着くと平日だというのに少し並んでいる。

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しかも並んでいる人々の7割方は東洋人、中国系と見た。

これは当たりの予感がする。

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席に通されると寒い。冷房を効かせすぎだ。

ビールを小瓶で頼んだけれどすすまない。

回ってくるワゴンを覗き、美味そうな皿をもらう。

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お粥。これが今回ナンバーワンだった。温かくて胃に優しく沁み渡る味。食欲がない時でも毎日食べられそう。うまかった。

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海老のプリプリしたやつ。水晶蒸しとか言うんだろうか。大ぶりの海老が入っていて美味い。

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青菜。Chinese Broccoli と書いてあった。火の通し方(蒸し加減)が絶妙で、根本の太い部分も適度な歯応えがあり美味。

旅行中の外食は野菜不足になりがちなので、これは有り難い。モリモリ食べた。

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茄子と海老の挟み揚げ。美味。茄子は揚げるに限る。油たっぷりで元気が出る。

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ココナッツシュリンプ。味があまりせずイマイチ。

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チャーシュー蒸し饅頭。具のBBQポークが甘過ぎてイマイチ。

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エビシュウマイ。イマイチ。

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平麺に海老を挟んだもの。ツルツルプリプリとして食感が楽しい。

ほか、蜂の巣(牛の胃袋)と大根を煮込んだものも取ったけれど、写真を撮りそびれた。これはあまり好みではなかったので残した。

そしてなんだか海老ばっかりだけれど、回ってくるワゴンにはまだまだ春巻きやら、パンやら肉入り麺などもあったのだ。

けれど、50代半ばの初老2人の胃袋ではこれが限界。

飲茶というものは、もうちょと大人数で来るものだろう。

お代わり自由の烏龍茶が温かくて美味しかった。

写真には写っていない蜂の巣と大根の煮物にビールの小瓶2本で、チップ込みで$90くらい。

少し高いかなと思うけれど、これもラスベガス料金なのだろう。

なにせこの飲茶の店も巨大カジノホテルの中にあるのだから。

ちょっと食べ過ぎた感があり、立って歩くのがしんどい。

Uberを呼んでホテルに戻って横になる。至福の時間だ。

自分らがヤングだったら、元気があってこれからカジノだとか、何か見所にでも行くのだろうけれど、そんな元気はない。横になりたい。

何より明日は朝5時にツアーの迎えが来る。ここは体力温存に限る。

夕刻、少しだけカジノを覗く。

好きなルーレットをやった。

Minimam bet $15のテーブルで、1時間半くらい遊んで負けが$150だったから、まぁ善戦した方ではないだろうか。

ディーラーとの相性もあるし、出目がさっぱりピンと来ない時もある。

加えてこのテーブルのルーレットはなんと、「0」に加えて「00」、「000」まであった。圧倒的にディーラーが有利な設定である。こんなルーレットは初めて見た。

さすがラスベガスだ。知らんけど。

向こう側で張っていた「ちびまる子ちゃん」の友蔵爺さんみたいなアジア系の爺さんが、ポンポン$100札を使うので、よほど金持ちで暇な爺さんなんだなぁ、と眺めていたら、あっという間にスッて、「今日はもう$2,000も負けた」とボヤいてるのを家人と聞いた。スパッと帰るのかと思ったら、財布から$40を出して、「泣きのもうひと張り」と言わんばかりの姿がおかしかった。

いやおかしいというか、この爺さん大丈夫だろうか?と家人と目を見合わせた。

他にもスパッと$500を張って、少し大きく当てたものの、すぐに負けてサッと帰る常連ぽいスマートな白人もいた。

ルーレットは面白い。

私は、ルーレットのディーラーは、自分の思った通りの目を出せるものだと考えている。

ある程度に経験と訓練を積めば、さほど難しいことでは無いと思う。ルーレットの目はランダムに出るように見えて、実はディーラーの手に中にある。

もちろん、玉は弾かれたりするから、百発百中とはいかないのだろうけれど、あれはアムステルダムのカジノだったか、8回に1回の頻度くらで、ピタリと「0」を出し続けるテーブルを見たことがある。

その時、ああ、ルーレットのディーラーは狙った目を出せるのだ確信した。

そのテーブルで「0」を狙い撃ちにして、私は500ギルダー(€ユーロ前だった)ほど儲けたことがあるのだ。

そんなわけで私はカジノではルーレット派だ。

賭けの分かりやすさといい、周りの客の面白さといい、ディーラーの腕や癖の面白さといい、殺気の無さといい、そこそこのお金で適度に遊べる加減といい、自分の性に合っている。

今回はそのディーラーの読みがさっぱり分からず、もしかして狙って目を出せるほどの腕があるディーラーではなかったのかも知れず、さっぱり分からなくてズルズルと負けてしまったけれど。

独身の頃は、あちこちのカジノでルーレットをやったものだ。

香港、マカオ、アムステルダムにニューオリンズ、そしてモントリオール。

けど、最近はすっかりご無沙汰だった。

懐かしくてスリリングで面白かった。

最後にやったのはモントリオールだったと思う。だとすれば2004年、17年前か。

明日からグランドキャニオンへののツアーの出かけるけれど、最終日の夜にはまたラスベガスに帰って来るから、時間と元気があればまた少しやってみたい。

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夕食。

外食はもうシンドイので、コンビニでサラダ($6.50)やサンドイッチ($4.20〜$4.70)、クロワッサンサンド($6)、それからビールとワインも買って、$60くらい。

外食よりは安上がりだけど、コンビニでこれだけで2人前の夕食と考えると、観光地とはいえ物価が高いなぁと思う。

どうしても至れり尽せりの日本のコンビニを思い出してしまう。

まぁその日本のコンビニのあの値段も、決して高いとは言えない賃金で働いている人々に支えられているのからこそなのだろうけれど。

さて、「家飲み」ならぬ「ホテルの部屋飲み。」

これが気楽で飲んだらすぐ横になれるので宜しい。

我々は何処にに旅しても、日本でもこれをやる。

安上がりだし、何より外食は疲れる。

食べ物が美味しくても、音楽が煩かったり(アメリカはこれが多い)、寒すぎたり、座りにくい椅子やテーブルだったり、隣の席が煩かったり、サーヴする人が気が利かなかったり…

外食は疲れる。

明日は朝5時ピックアップでグランドキャニオンのツアーが始まるし、これで良い。

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ホテルの部屋からの眺め。

イカれている。