ビールが美味い
3ヶ月ぶりくらいにビールを飲んだ。えらい美味かった。癌患者がビールを飲んではいけないという連邦法が無くて良かった。美味いと思って飲むんだからビールくらいは薬だ。というか、抗癌剤のほうが絶対体に悪い。いいじゃないですか、ビールが飲みたいという元気があって、美味いって飲んでるんだからさ。
抗癌剤投与から3日もすると、体調が回復してくる。
怠さや眠気や手足の痺れが無くなる。吐き気止めやステロイドも要らなくななるので、ドラッグ・フリーの瞬間最大風速的な、わりと元気なヲッさんに戻る。
そこで休日がやってきて、買い物やら洗濯やら掃除やら惣菜の仕込みやらと、一気呵成に活動する。散歩にも行く。それは夕方になれば普通に疲れた感は出るけれど、抗癌剤や他の薬による毒々しい疲れでは無い。1日やろうと思った事が出来たなという気持ちkのいい疲れだ。
ぜんぶ済ませて風呂に入って、春巻きを揚げて、ビールが飲みたくなった。昼前から予感がしていたので、親父の遺骨の(の一部を火葬場でべりッと剥がしてきたもの)隣りに備えておいたビールを冷やしておいたのだ。
うまいうまい。優勝。
明日のことは知らん。
というのは、おととい、職場のひとの32歳の娘さんが、先日心臓発作で突然死したと聞いたのも少しある。突然死だ。しかも32歳の若さで。1年前どころか1週間前でさえ自身に死が訪れるとは微塵も思っていなかっただろう。ご自身も家族も。
私はどうだ。1年3か月前に癌を宣告されて、まだ時々元気で生きている。体調だって悪くない。
今日ビールが飲みたくて、美味しいと飲めることがどんなに有難く幸せなことか。明日のことはわからない。願わくば同じように夜が明けて、災害にも事件ににも事故にも遭わず、突然死にも見舞われず…とは思うけれど、本当にわからないものだ。
なので、今日元気でビールが美味しく飲めたのが本当に嬉しく有難かった。そもそも体調が悪ければビールを飲みたいなんて思わないからだ。(これはコーヒーにも言えることだけど。)