断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

痩せましたね。など。

ひとに不用意に「痩せましたね。」とは言わないほうがいいと思うのだ。

大抵は褒める意味合いか、さして考えもなしに見たままをを言うのだろうけれど、手術入院退院して復帰してきた身に「痩せましたね。」と言われると、少し気にしているだけにギクリとする。消化器系の癌の術後で、思ったようには食べられずに体重が減ったからだ。望んで減らした体重ではない。そして体重減は予後不良の要因でもあるのだ。「痩せましたね。」は「あなたの予後が良くないかもですね」と言われているようなものなのだ。病気する前にはいくらか肥満気味であったにせよ。

というわけで声掛けするなら「顔色がいいですね」くらいにしておいたほうが無難で良い。自分が病気して分かったことでもある。自戒を込めて。

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そういえば先週はまたレアチーズケーキとプリンを作った。のだけれど、私と同時に飲酒を再開した家人が「おやつ」を食べなくなったので、ずっと冷蔵庫の中にある。

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酒を飲んだら甘いものは要らないのだという。まぁそうだろう。よくわかる。レアチーズケーキは冷凍が効くと思うけれど、プリンはどうか。卵と牛乳で蒸したやつだから冷凍が効きそうな気がするので試してみようと思う。グズグズになってしまったら、カスタードクリームにでも混ぜればサルベージが効くだろう。パイ生地に包んで焼いてしまっても良い。パン生地に混ぜ込んでもいいだろう。けれどもウチではもはやデザート自体の需要がない。家人のおやつ用にコーヒーゼリーを作っておこうと思って、買い物リストに書いた「ゼラチン」を消して、かわりに酒のツマミ用に仕込む燻製用の「ナッツ」と「チーズ」を書き足した。「うずらの卵」も茹でたやつを燻製にすると美味い。アメリカのスーパーではなかなか売っていないけれども。

デザートと言えば。

お弁当の宅配事業をしている知り合いのひとから、以前からデザート部門の手伝いを頼まれていた。けれども手術入院もあってお断りしていた。快復してきたここはそろそろお手伝いに行くべきかと思ったりするのだけれど、休日を一日これに割いてしまうと、身の回りのことや家事に手が回らなくなる計算になるし、体力も持つかどうか、まだ少し腰が重い。食べ物を誂える仕事というのは重労働で、大概にして賃金が割に合わないのだけれども、何か人間の根源的なヨロコビというか、「やりがい」というと安っぽいので敢えて避けると「人様の役に立ってる感」が得られる仕事ではあり、極私的に人生にもはややり残した事が見当たらない身としては、生きるガッツになり得るとは思う。

本業が週休4日くらいの仕事なら良いんだけどな。

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某所に植えた大葉(青紫蘇)と三つ葉が盛大に茂って、胸のすく思いだ。三つ葉は花を咲かせてしまった。入院前には小さな芽から本葉が出た程度だったのに、よくぞモリモリと育ったものだ。茶碗蒸しには季節が早いし、ほかに三つ葉は遇らい以外にあまり使い道が思い浮かばないけれど、大葉はどっさりと刻んで、これにエビと豚挽き肉で「紫蘇餃子」を作るとこれが美味いのだ。こんどの休みに作ろうと思う。芋の葉も元気だけれど、狭いプランターの中で育っているのかどうかは掘ってみてからのお楽しみだ。

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