断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

ポテトサラダ / ハーゲンダッツ

術後31日目、自宅療養18日目。

きのうスーパーでハーゲンダッツのアイスクリームが3個で$10というセールだったので、家人とこれは買うしかないと、セールのわりにはというかセールだからなのか、貧弱なバラエティの中からストロベリーとバターペカンとバニラスイスアーモンドを買った。

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最近はさっぱり酒を飲まないので、特に家人が甘味を所望する。私はあるなら少し食べるかという距離感。アイスクリームよりは氷菓、ガリガリ君みたいなのが好きだ。あるいはラクトアイスまで。

でその3つも買ってきたハーゲンダッツを冷凍庫にねじ込む際に、いつ買ったかも覚えていないバウムクーヘンの半分食べたものが発掘された。やこれは流石に食べてしまうべきだということになり、朝食用にキッチンカウンターの片隅に解凍に置いた。

冷凍庫にはまだまだ古い食材が詰まっており、食べてしまいたいのは山々だけれども、術後の胃袋の処理能力容量が追いつかない。冷凍シーフードミックスなどは、明らかに消化が悪い選手権絶対王者チャンピオンな訳で、これは家人に皿うどんでも作って出す用だったけれども、この人も私に付き合って禁酒しているので、普通の食事に酒の無い皿うどんというのは好まないらしい。同様に家人はカレーもパスタ類も酒のツマミと捕らえているフシがあり、酒がないと触手が伸びないようなこと言う。確かにカレーは酒が飲める。それはわかる。しかしやれやれだ。禁酒されてしまうと逆に禁酒メニューに困ってしまうというのが実際のところである。自分とて長年酒を飲む前提で自炊してきたから、酒のない食事とは?みたいな禅問答のようなことになり、勢い麦飯に味噌汁に出汁巻き玉子だとか、野菜スープに惣菜パンだとか思いつくものを適当に作って出している。家人はさらにアメリカの肉は美味しくないと言って、カレーか唐揚げの鶏肉以外口にしないので、タンパク質をのせるのに苦労する。卵は脂質が多いし、豆腐はあれはほぼ水だからな。

朝、くだんのバームクーヘンを食べる。甘い。震えるほど甘い。コーヒーを飲んで中和して散歩に出る。糖質の塊を摂った直後のせいか、普段より距離と歩数を稼ぐ。手術退院後の新記録8,000歩あまりを歩いた。しかしバームクーヘンはいかん。エンプティカロリーだ。

シャワーを浴びて少し休む。昼食は残り物の酢飯に鯖味噌煮缶。タンパク質が取れた。初老の2人暮らしに酢飯2合半は多過ぎた。こんどは1合だけでも良いかもしれない。

食後油断してすぐ横になったら逆流してきて危なかった。もはや私には通常の胃や噴門は無いのだった。

午後、暑いけれど家人が食べたいというので、角食パンとハムとチーズを巻き込んだ惣菜パンを焼く。オーブンが熱を放つけれど、この集合住宅自体にガンガンに冷房が効いているので、部屋はさほど暑くならない。ような気がする。それからtwitterで話題のポテトサラダを作って食べた。美味い。非常に美味い。

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しかし食べ過ぎたのだろう。というかパンに芋という腹に溜まる取り合わせはダメだろう。食べたものが喉元まで詰まっている感覚がする。食道を切ったぶん胃を丸めて胃管にしているので、たぶん実際そうだ。苦しい。これは苦しい。