断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

自宅療養初日

昨日退院して2週間ぶりに家で寝た。若い頃からいつでもどこでもすぐ寝る、を標榜実践しており、さいきんは自宅のソファーベッドに雑に寝ていたのだが、この入院から帰ってきて一つの心配が、この雑な寝床であった。

全米4位の病院のベッドはもちろん素晴らしかった。上下半身別働のリクライニングはもちろん、ベッド全体を8ブロックくらいに分けて、別々に空気圧で高さや角度を調整するように出来ていた。少し寝返りをうつと、ういーんと空気が出入りする音と感覚があって、なかなかいい塩梅に身体の圧を分散させてくれる。腰痛も床擦れもかなり減らせるのではないかというベッドだった。全米4位。

自宅のソファーベッド。まぁいいやと寝てみたら悪くはない。慣れているというのもあるが。右肩下の大きな切開跡と、両脇腹にはドレインのあとがあり、どういう体制でも何処かが当たって痛みがちなのだが、寝るときに痛み止めを飲んで寝てしまえばなんとかなるだろう。

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自宅用に届いた胃瘻 tube feeder 一式。

昨日これを組みたててセッティングをした。別送で届いた胃瘻 tube feeding用のプロテインドリンクのような液体を、上に引っ掛けているバッグにダボダボと流し込んで1時間に100mlの設定で胃に送る。小腸かも知れない。液体は糖質70%、タンパク質20%、脂質10%のフォーミュで、1mlあたり1Kcal、1日目標カロリー1,800Kcal=1,800mlを注入し続けるという段取りだ。一升か。

朝は寝たり覚めたり。痛み止めが切れたかも、という鈍痛で起き上がる。

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薬各種を砕いて水に混ぜて、注射器で胃瘻に注入する。地味に面倒な作業だ。カプセルや錠剤くらい口から水で摂取出来るけどなぁ。まぁしばらくは言うことを聞こう。

家人がシリアルをバリバリと食べ終えるのを待って、ダブって届いた胃瘻tube feedingポンプを返送に行きがてら、食料品を少し買いに行く。車の運転だって大丈夫だ。ただし眠気を催す痛み止め(オキシコドン)を服用していない時に限る。スーパーで主に野菜とnon-fat yorgurtと糖質ゼロスポーツドリンクを買う。退院翌日良い運動になった。

昼、病院から派遣された訪問看護が2名来る。なんのことはない、胃瘻の取り扱いの説明の繰り返しと、忌避事項の確認、ちょい精神論、そしてヴァイタルをとってYou are doing great! と言って帰っていった。申し訳ないけれど、なに一つ学ぶ事が無かった。くどい。胃瘻の取り扱いも忌避事項の確認も、もう入院中から何度も訓練をさせられたし確認もした。基礎疾患でもあって身体が弱っている認知症の独居老人ならば分かるけれど、これは過剰で無駄だなと思った。看護師のプロ意識は素晴らしいけれど、その有限なプロの仕事は、より必要とする他の誰かに使われて欲しいと思う。次回から断ろうと思ったのだが、週に一回あと4回は来るという。無駄だ。

2人の看護師が帰った後、家人は昨日の残りの親子丼、わたくしは電子レンジで温めるだけのトマトスープを摂る。キャンベルの間違いのない不味さ。お粥にしておけばよかった。胃が怒っている。

1時間ほど昼寝。看護師に指摘されて気にし出したら、確かに脈がずっと少し早めだ。安静時で90くらい。複数飲んでいる薬のせいもあろうけれど、コーヒーは暫く控えようと思った。朝入れたやつを入れ足して、水分補給に一日中飲み続けるくせがある。血圧にも良くなかろう。

横になっていると楽で良いけれど、食材も買ってきたし、何か誂えるのもリハビリの一環だと思い直し、野菜の切れっ端でスープを作った。留守のあいだ2週間も放置していた冷蔵庫の糠床が、カビも生えずに生き延びていたので、キュウリを塩揉みして漬け込んだ。カブも買ってけれど、疲れたので明日以降にしてもらおう。あぁカブは別に糠床に漬けなくても塩昆布で揉んでもいいか。酢を少し入れて。

それからタコのオイル煮を見つけたので、これとアスパラでパスタを作って家人の夕食としよう。明日はコンニャクの炒り煮、おから、冷やし中華あたりでも作ろう。時間は沢山あるので、休み休みやる。来週くらいからパン焼きを始めようか。