断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

自宅療養3日目

昨日の米国の新規のSARS-CoV-2の感染者が4万人だと言っていた。過去最多だという。治るどころか感染は拡大しているではないか。4万人って。

わたくしが食道癌の確定診断を受けて、色んな検査をうけたあと治療が始まった3月の半ば頃から、時を同じくして、ロックダウンが始まった。医者の話を聞こうと付き添いに来ていた家人も、病院にさえ入れて貰えなくなった。以降、雨あられのように降り注ぐ銃弾砲弾の中を、毎日丸腰で突撃していくような気持ちで放射線や化学治療に通い、先日手術入院をして3日前にやっと退院し帰宅した。昨年末から非日常的な日々の連続であった。今もそうだけれど。SARS-CoV-2のパンデミックで、医療サプライの不足が懸念されて、一時期は治療に滞りが出るのではないかと心配していたけれど、ひと段落終わってみれば、ほぼ予定通りだった。専門的な設備が整っており、患者満足度も高い医療機関で、望みうる最高の医療を受けることが出来て感謝している。まだ治療が終わったわけではなく、自宅で胃瘻tube feedingをしながら投薬をしているわけだけれど、比較的合併症のリスクの高い外科手術という大きいところは越えたし、しばらくして職場に復帰する見通しも立ちそうだ。何せ5年生存率が50%程度の予後の良くない食道癌だ。これから再発や転移がない事を祈りながらの生活となる。いや自分のために祈ってはいけないな。元気に動けるようになって、お返しをしていかなければならない。

自宅療養3日目。

昨夜22時半ころに横になるものの、寝付きが悪く寝たり起きたり。長めの昼寝をしたのから当たり前か。起き上がって椅子に座ったり、またベッドに横になってみたり。神経痛というのだろうか。手術の切開あとが痛むのではなく、身体の内部や皮膚に、ピリピリと電気が走るような感覚が断続してある。耐えられない痛みではないけれど、眠りが浅いと起きてしまう程度の不快感ではある。そしてうちのソファーベットは病院のハイテクなエアーベッドとは違って、空気圧で身体の圧を分散してくれたりはしない。思うように寝返りをうてずに長時間横になっていると身体が痛くなってくる。寝たり起きたり。

8時ころ起きる。

薬をひと通り飲んで、胃瘻tube feeding をフラッシュして、栄養液を補充する。

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Nestleのvivonexという胃瘻栄養液。1本250ml=250Kcal。1本$6〜7する。1日分1,750Kcal摂取が必要だとして7本。1日分$42〜49だ。これ保険でカヴァーしないんじゃなかったかなぁ。1ヶ月間胃瘻tube feeding を続けるとすると、$1,260〜$1,470ほどかかる計算になる。かなりの「食費」だ。あとで調べなければ。

リハビリ散歩がてら、歩いてスーパーに買い物にいく。野菜と、チーズケーキを焼くようにヘヴィクリームが欲しかったのだけれど品切れしていてLight クリームを買った。少し蒸し暑い。

昼食に家人は蕎麦、わたくしは3日前に炊いたお粥をまだ食べている。食後、果汁90%と書いてある氷菓みたいなのを買って来たので食べてみたけれど、わたくしの胃は気に入らなかったようだ。胸焼けがひどい。

ベッドに横になる。なんだかんだ言って、横になってるのが1番楽だ。

夕方、家人の夕食用の焼きそばの野菜を切り、レタスを洗い、キャベツを千切りにして水に晒し、卵を茹で、新玉ねぎのジンジャードレッシングを作った。味見したら酢と玉ねぎと生姜が容赦なくてむせる。新玉ねぎの季節も終わりだなぁ。

都知事候補のネット討論を見る。何も正面から答えていないのに、何か言ってる気がする現職の口の巧さよ。まーわたくしは元都民だが現都民ではない。

これまで「胃瘻tube feeding」とばかり書いて来たけれど、よく見ると私のは“jejunostomy tube" で「(空)腸瘻」だった。訂正する。