断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

入院12日目

日曜日でも回診には来るらしい。先週はどうだったかはよく覚えていない。必要があれば来るんだろう。ということで朝イチの回診のあと暫くして別の医者がやってきて、ついに右脇腹のドレインを外していった。これで身体についていたドレイン3つが全て無くなった。フリーダムだ。あとついているのは胃瘻、それと点滴用針が2箇所手の甲と腕にあるのみ。

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これでも随分痛々しい感じはする。痛くないけど。それから胸に電極を貼り付けて心電図を取っているので、バッテリー付きの発信器みたいなのも常に胸ポケットに入っている。

ドレインが全て取れたのは何よりも嬉しい。寝返りなどをの動きの自由もさることながら、これらは用心しないと引っ張られて腹の奥まで痛むのだ。ドレインを抜いたあと、大きめの絆創膏みたいなのをペタペタ貼った医師が、まー数時間で痛みも収まるんじゃない?と言って去っていった。

今日の看護助手はヒスパニックの男性だった。「日本人か?」と聞かれたのでそうだと答える。どうやら私の名前で日本人と推測したらしい。中南米には日系移民の末裔がいるし、日本のアニメなどの文化も入っているだろうから、あまり不思議なことではない。ポケモンに私に似た名前のやつがいたかも知れない。他の東アジア--- 中国や韓国ではなくて日本人、と当ててくるのはアメリカではヒスパニックしか居ない。日本にいつか行きたい。と看護助手の彼は言った。何か好きなものでもあるんだろう。おお、遊びに行くには最高の国だよ。働いて暮らすんじゃなければネ、と答えておいた。なんだかよくわからないという顔をしていた。

看護師が来て、何かランチはオーダーしたのか?と聞かれる。えっ?何か食べていいのか聞いてないけど。Clear Liquidなら許可がでているから、電話してオーダーすれば持ってくるという。とメニューをくれる。

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さすが世界ランキング4位のJohns Hopkins University Hospitalである。ホテルのルームサービス並みではないか。電話したら食事を持ってくるだと。おおおチーズバーガーまである。しかしながら私は制限があるので、どうせトロミのついた水とか紅茶くらいしかオーダー出来ないようだった。特に空腹を感じていなかったけれど、試しにチョコレートプリンはまぁまぁ美味いなと思って全部食べた。トロミの付いた暖かい紅茶というのも珍妙な味わいだった。飲み込み難くて仕方がない。普通の食事がしたいものだ。アサリの味噌汁なんて良いなぁ。暫く酒は我慢するから。食欲が出てきたのは良いことだ。切った残った胃でどれだけ食べられるんだろうか。