歯科医へ行く。癌治療との兼ね合い

半年毎のクリーニングとチェックアップに歯科医に行ってきた。
やっぱりプロにクリーニングしてもらって、歯がツルツルになるのは気持ちが良い。
しかし歳をとると、歯にもガタがくる。
もともと歯がよいわけではなく、口の中は治療のあとだらけだ。
アメリカに来て20年。
歯科治療費が高いアメリカで費やした金額は100万円では足りない。
保険が3~6割ほどカヴァーしての額でこれだ。
全額自費だったら、200万円くらいは払ってきたかもしれない。
今回は、渡米前の20年以上前に日本で治療した歯 --- 根治治療そして大きな銀の被せ物がある--- が、年末あたりから歯茎が腫れたり出血があったりしたので、歯科医に相談した。
歯医者通いの玄人(私のことだけど)になると、どの程度悪くて、どういう治療になるのか、大抵の予測がつく。
これは被せ物(クラウン)の下の歯がもう痛んでおり、隙間から感染して腫れや出血があるのだろう。
最悪、抜歯してインプラント覚悟だな、と思っていた。
果たして歯科医の見立てもその通りだった。
嬉しくない当たりだ。
抜歯とインプラントの専門医を紹介された。
インプラントか。
3年ぶり2回目 --- 甲子園出場校か。
まさか3年前に自分の書いたエントリーが、自分のための覚え書きとして見直す日がこんなに早く来ようとは思わなかった。
今回は、この前回インプラントした歯の真上、アメリカの数え方だと3番が対象だ。
下の歯(30番)にインプラントを入れて、調子に乗ってピーナッツなどをばりばりと噛み砕いていたところ、上の歯がイカれたということだ。
阿呆か。
というかまぁ、耐用年数が過ぎたのだろう。
思うに、人間の身体の生物としての耐用年数は50年だと思っている。
戦前くらいまでは、50歳くらいで死ぬのは珍しくなかったはずなのだ。
私の母親の両親とて、両方50歳にならずに、孫(私や兄弟のこと)の顔を見ずに他界している。
昭和の前半の頃の定年は55歳だ。
「サザエさん」の波平の年齢設定は54歳だ。
現代は、栄養状態や公衆衛生環境や医療やテクノロジーの恩恵を受けて、人は長生きになったけれど、生物としての設計は変わらない。
50歳過ぎたらオマケの人生だ。
30番、さいしょに生えてきたほうの永久歯だ。
むしろ満身創痍でよく頑張ったと労わってあげたい。
このエントリーを見直すと、抜歯と同時にインプラントの埋め込みが出来れば、期間は5か月。できなければ9か月。
費用は、保険のカヴァーのあとの自己負担が$2,200。
仕方がない。
というかノーチョイスでインプラントだろう。
治してばりばりピーナツを噛み砕くのだ。
と、ここで問題というか、大きな疑問発生。
気になるのは、このあと控えている、癌の術前放射線&化学療法と外科手術だ。
果たしてこれらと「同時進行」で抜歯+インプラントが出来るものなのか?
少し調べると、
癌の治療と口腔衛生は、かなり重要であるらしい。
国立がん研究センターによれば、癌治療の際に口腔衛生がコントロール出来ていないと、抗癌剤によって免疫力が落ちているところに細菌感染や炎症が起こりやすく、口内炎や口腔粘膜炎を起こすことは珍しくないとある。
人によっては、抗がん剤で顎の骨の壊死が起こる場合もあり、インプラントの適応外となることもあるかも知れない。
また、口腔衛生状態が良くない状態で手術をした場合は、肺炎などの合併症を、より引き起こしやすいという。
さてどうしたものか。
抜歯確定の歯をそのままに癌治療に入るのか、抜歯してしまったほうが良いのか。
これはちょっとわからない。
歯科医と放射線&化学治療腫瘍医に相談だな。