断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

アルコール依存症

先日、元アイドルグルーブの男性が、バイク事故を起こした際に、呼気から基準値を超えるアルコールが検出されてニュースになった。彼は過去に酒に酔って強制わいせつ事件を起こして書類送検され、これが元で所属事務所との契約を解除、事実上、芸能界を引退している。

報道で知っただけだし、私は医者ではないので、軽々しく人様の健康状態のことは言えない。けれども酒に酔った状態で問題行動を二度も起こしたとなれば、これはちょっと病理の領域だろう。

むかし行動科学(Behavioral sciences)のクラスで、「アメリカ社会とアルコール」というような講義を取り、分厚い本を斜め読みしたり、「Alcchol Anonimous」という断酒会のミーティングを見学してペーパーを書いた事を思い出した。

教科書として使われた本の内容は殆ど忘れてしまったけれど、アルコールは、一部の違法な薬物よりも有害で強い依存性と耐性があること、依存に関しては、本人の身体的要因 --- アルコールの代謝能力や耐性や、それから経済的社会的地理的「環境」が大きく関与しているといった内容だったと思う。たとえば日照時間の少ないアラスカに住む、アルコールを代謝する強い酵素を持った白人や、居留地で生活保護を受けて暮らすアメリカ先住民族(いわゆる「インディアン」)にアルコール依存が多く、交通死亡事故も多いといった統計内容は覚えている。

私も酒が好きで良く飲む。飲み過ぎたのか51歳にして食道癌になってしまったけれどそれはさておき。アルコール依存については以前に興味をもって調べたり本を読んだりした。以下は過去に読んで面白かった興味深かった3冊。簡単にレビューを書いている。

dv6.hatenablog.com

dv6.hatenablog.com

dv6.hatenablog.com

読み返して思い出して、やっぱり思うことは、アルコール依存症の「治療」には、本人の強い決意と断酒しかないこと、そして周囲のサポートが必要不可欠であるということだ。有名人となるとこれが難しいのだろうと思う。批判して追い込んで、表に出られなくしてしまうのが一番良くない。むしろ表に出て、同じような問題を抱える人々をサポートするような環境に身を置くことで、彼も周りも救われていくのだと思う。チャンスは何度あってもいい。はずだ。知らんけど。