断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

いよいよ明日手術

あす6月10日に手術だ。

2019年末の大腸検診で「ついでに」やってもらった胃の内視鏡検査で、偶然に食道癌が見つかり、検査や抗癌剤&放射線の治療を経て、手術までに半年かかった。早いのか遅いのかよくわからないけれど。

手術はあさ7時半から約6時間かかると説明されている。その為に5時半にチェックインしろというので、きょうは前乗りで病院の近くのホテルに泊まることにした。このコロナのご時世に、営業しているホテルがあるのかと驚いたけれど、州外や外国からも患者が来る病院だから、ホテルとも提携しているらしい。職場の同僚や上司が、車で送ってくれると言ってくれたのだが、あまり迷惑はかけられない。公共交通機関でホテルまで向かうことにした。車で行けば1時間と少しの道のりだけれど、地下鉄やライトレールを乗り継いで3時間くらいかかった。

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手術は食道の下部3分の1と、胃の上部半分を切除して繋げるため、腹側と背中側両方を切開する大きな手術になるので、6時間かかるとのこと。腹部食道癌というのは厄介なんだな。まぁ素人考えでも食道の辺りには気管や心臓や大動脈や肺や肝臓、背中側には脊髄が通っているから、虫垂炎を切除するような話とはわけが違うというのは分かる。

術後にICUに2日間、普通病棟に移って12日間から14日間ほどの入院となり、順調であれば退院、その後4週間ほど自宅で訪問看護を受けながら療養して、術後つごう6週間で、事務仕事ならば職場に復帰できるだろうとの医者の話だ。長くは入院させないアメリカの病院にしては長期入院の部類に入る。ややチビる。

しかし入院準備に何を持っていけばいいのかよくわからない。日本ならば着替えや洗面用具など、想像がつくし、最悪、病院の売店で最低限のものは買えるはずだ。親父も母親も弟も入院したことのある実家には、病院でよく見かけがちなプラスチックのコップが3つあったのを思い出した。

病院のウエブサイトで調べると、貴重品は持ってくるなとあるし、要るのは日ごろ服用している薬と、必要ならば眼鏡、としか書いていない。下着というか着替えや洗面用具もぜんぶ用意してあるという理解で良いのだろうか。アメリカの病院に2週間も手術入院したひとを知らないし、聞きようがない。まぁいいか。なんとかなるだろう。どうしても必要なものがあるというのならば病院が念を押して知らせてきている筈だ。けれども、アメリカの常識として、「言わずもがな、それは要るだろう」というものがある気もする。知らんけど。

と思っていたところに、病院の看護師から電話が入った。携帯電話とIDと保険のカード以外持ってくるなと言われる。そうか、アメリカで入院するときは着替えも洗面道具も要らないのか。向こう2週間、どうなることやらだ。

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ホテルにチェックインしたあと、病院の下見に来た。新型コロナウイルスの感染防止策で、歩行困難などでどうしても付き添いが必要な患者以外は、家族でもロビーの受付より向こうには入れないとのこと。手術が終わるまで待っていることは出来ないとのことで、家人はわたくしがチェックインするなり自宅に帰ることになった。まぁちょっと周りを歩いたけれど、治安の良い土地とは言えないので、家人は早く家に帰ったほうがいいと思った。道端にガラスの破片やゴミが散らばっているし、交差点で信号待ちをしていたら「小銭くれないか?」と言い寄られたりしたので。

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高級ホテルかカジノかと見まごうばかりの立派な大学病院と、周辺のゴミの散らばった通りとの対照がいやはや何ともである。

いやーしかしホテルにチェックインしたものの、絶食だし酒も飲めないし暇で仕方がない。早いところ寝てしまいたい。