断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

最期の晩餐

f:id:dv6:20200608102542j:image

手術前2日間は液体しか摂ってはならぬ。というお達しなので、6月10日水曜日の朝の手術ということは、今日6月7日日曜日の夕食が最期。最期というかまぁ術前に好きに制限なく食べられる食事、となった。死なない。

日本ならばたぶん術前に確実に入院させらて、検査や何やら不味い食事管理を受けているところなのだろうけれど、そこはアメリカ。手術当日の朝5:30に来い、それまでに食事は摂るな下剤を飲んでこい、というハードボイルドなのである。血液検査も近くのLabに行ってきたし、術前の心電図やら何やらも、別の日にかかりつけ医のところに行ってきた。術前の元気な人間に優しく面倒は見てくれない。保険会社が認めないのだろう。自己責任、自己管理能力が問われるお国柄ということだ。上等じゃないか。

暫くは食べられないのだから、家人は好きなものを食べれば良いじゃない?と言う。けれども思い付く寿司も焼肉もラーメンもハンバーガーも中華も、外食はコロナのお陰で持ち帰りしか出来ないし、実は金額には見合わない。どれもロクなものがない。自分で誂えたほうがマシなのだ。酒もゆっくり飲みたいし、何よりも向こう2週間入院手術で家を留守にするわけだから、冷蔵冷凍庫の食材の整理を兼ねて、家人の食事の作り置きも重要。結論として、さして迷いもなく冷凍していた鶏肉をおろして唐揚げを揚げて、酒を飲むことにした。唐揚げは美味い。間違いない。生姜、酒、泡盛、みりん、ニンニク醤油に漬け込めば、アメリカの安い鶏肉でも美味しく食べられる。あとはせっかく揚げ物をするのだから、ついでに残り物の餃子の皮にチーズを包んで揚げる。これも間違いなく美味い。酒が進む。それからマッシュルームのグラタン。これはマッシュルームを処分したくて思いつきで作ったのだけれど、えらく美味くて更に酒が進んでしまった。糖質が少ないので、油が多いけれども良いツマミだ。玉ねぎのスライスにツナ缶をマヨネーズをあえて、その上にマッシュルームを適当に切ってのせる。好みでガーリックパウダーとブラックペッパーをふって、ピザ用チーズをのせてオーヴンで焼く。美味い。間違いない。アスパラガスでも美味い。カリフラワーでも美味いだろう。

長い話を短くすると、食べたいもの、食べておくべきものを処理できて満足である。向こう2日間は、水、コーヒーや紅茶(ミルク無し)、炭酸飲料、アップルジュース、ホワイトグレープジュース、スポーツドリンク(赤色以外)、乳成分を含まないジェラードアイス、チキンスープ、以外は摂取してはならぬと指示されているので、大人しく従うしかないよナ。と書きながらぐずぐずと酒を飲んでいる。