間引き
間引きが苦手だ。かわいそうじゃないか。
プランターで小ぢんまりと紫蘇を育てている。
今年は零れ種がプランターの外で多く発芽して、春先からそれらをそっと掘っくり返して、プランターの塩梅の良いところに移植し続けてきた。
根付かない可能性も考えて多めに移植したのだけれど、思いのほか根づきが良く、最近の気候の良さも手伝って、モリモリと繁って株間が混み合ってきた。
これは間引きしなければならない。
さもなければ全ての株が共倒れ、とまではいかないにせよ、限られたプランターの土壌で、ひょろひょろと育つほかない。
しかしどれも健気に発芽して育ってきた株なわけで、間引いて抜くのが気の毒で仕方がない。間引くのが良いと分かっているけど少し辛い。
私は男三人兄弟の次男坊で、農家の息子ではないけれど、世が世で生まれ落ちたところによっては、年端もいかぬうちに口減らしの為に丁稚奉公にでも出されて、割と嫌な目に遭ってもおかしくはなかったのだ…などと想像すると、間引きされる紫蘇も身につまされる気がするのだ。なんか背中がヒュッとする。
こういう間引き作業をを容赦無く出来る人って、プロ(農家)以外に居るんだろうか。いやプロでも心を痛めるとまではいかなくても、ちょっとかわいそうだなぁくらいは思うのだろうか。まぁそういう人も居るだろう。
間引きは苦手だ。
こちらは発芽率が悪くて、間引きする必要が無さそうなバジル。
こういうのが良いんだけどな。