断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

抗癌剤の副作用

前回、食道の切除手術の術前の抗癌剤投与のときには、副作用らしい副作用が無かった。髪の毛も抜けなかった。

今回は使っている薬剤が(Fluorouracil + Oxaliplatin) と違うからか、はっきりとした副作用を感じる。

まず、思いのほか倦怠感と眠気がある。投与翌日の午前中は、ほぼ寝ていた。ここのところ飲んでいる、やたら元気が出るステロイド、デクサメタゾンのおかげで不眠気味だったので、眠れるのはむしろありがたいくらいだけれど、昼夜ずっと眠いのは少しつらい。

それから指先や舌が、冷たいものに触れると痺れる。これは事前に説明されていた副作用で、驚きはなくむしろ、ははぁ、こういうことか、と思うくらいだけど、家事をしていると手が止まる。その度に蛇口からお湯を出して指先を温める。それからアイスクリームというか、食後に好物のマンゴーのソルベを食べると、舌がビリビリと痛いほどに痺れるので面白い。面白がっていいものかどうか知らんけど。

痺れるのはその冷たいものに触れた瞬間だけなので、手先ならばお湯につければよいし、舌なら常温か暖かい飲み物でも飲めばよい。

そのほかに説明されている副作用は、吐き気、下痢や便秘、皮膚の以上、口内炎、白血球の減少(感染症のリスク増)、血小板の減少(出血が止まらなくなるリスク)、貧血と倦怠感、食欲の減退…などとある。

吐き気は確かにうっすらとはするのもも、吐き気止めのこれまた薬があり、それを飲む限りは問題がない。下痢や便秘もそれ用の薬。薬ばかりだけれど、抗がん剤というのは、癌細胞だけを狙い撃ちにするわけではなく、正常な体の機能までにも影響を与えるものだから仕方がない。生きるか死ぬか、肉を切らせて骨を断つみたいな戦略なのだろう。髪の毛だって今更この年齢で抜けても構わないけれど、掃除が大変そうなので、抜けないに越したことはない。知らんけど。

食欲はいまのところ、とても空腹を感じることはないけれど、なんとなく食べようかなという程度にはあるので、体重はこれ以上減らしたくないしで、タンパク質多めの食事を心がけて食べている。

さて、白血球減少による感染症のリスク増が、この新型コロナのご時世に怖いところだ。医者のによれば、抗癌剤治療を受けているわたくしのワクチン接種優先順位は「1B」とのことで、医療従事者や高齢者施設入居者、教師や治安関係者に次ぐ、「65歳以上の高齢者」と同列らしいので、わりと早めに順番がくるはずだという。そうか。ワクチンにはあんまり期待していないのだけれど、とりあえず管轄である地元の役所に登録した。1分後に確認の電話が来た。アメリカという国は、時々こういうところで信じられないくらいの素早い対応がある。

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そして今日はこれ、48時間取り付け持ち帰りの携帯用抗癌剤注入ポンプを取り外しに行く。襷掛けにしていると、ガスメーター検診のひとのようだ。