断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

あと26回の晩飯

手術の日程が決まったので、制限なく食事が出来るのもあと1ヶ月もなくなった。晩飯だけを数えればあと26回だ。

手術で死ななければ再び食べられないということはないだろうけれど、何せ食道と胃の一部をそれぞれ切るわけだから、食事がとれるまでに回復しても、これまでのように、時には馬飲鯨食か!という食事は出来ないだろう。いや冷静に考えて51歳にもなってバインゲイショクも無いだろう、とは思うのだけれど。うっかり人生の7割を消化して、たぶん食べることについての行動を根本から考え直す良い機会なのだろう。知らんけど。

調べると、食道癌や胃癌の手術後の人々は、量が食べられなかったり、逆流性食道炎や、「ダンピング」という食後の逆流現象に苦労しているひとも多いようだ。つらそうだな。知らなかったことにしたい。のは山々だけれど、都合の悪いことはむしろ現実をきちんと認識しないと対処が出来ないので、よくよく調べたり読んだりしている。

 

それから昼間、仕事をしていると案の定、病院から連絡があり、予定されていた Post Chemoradiation therapy PET/CT Scanは、保険会社が認可していないので延期となった。またお前か、保険会社め!病気になった時、アメリカで闘わなければならない真の敵は保険会社なのだ。他方,医者は商売敵も居るサーヴィス業なので、基本的にナイスで優しい。これは試験に必ず出るところだから強調しておきたい。

(とはいえ、アメリカでは医者も基本的に自由診療で、言い値で請求してくるのも事実で、たとえば内科医にいやー血圧ガーとか、一回面談に行っても、実質5分、平気で$300とか請求してくる。これを間に入って、自己負担持ち出し分を$35とかに事前に交渉してくれているのもまた保険会社ではある。)

そんなこんなで、仕事の合間に医者や保険会社に電凸しているうちに、職場の機械トラブルが発生して、埃にまみれて復旧させようとして逆に状況悪くする。なんだよ今日は仏滅に三隣亡か!と意気消沈。昼も近かったので、とりあえず弁当を食べて落ち着くことにした。

日本で買ってきた梅干しがめっぽう美味い。築地で買ってきたやつだ。

dv6.hatenablog.com

梅干しはあれだ。高くてもやっぱり本物が美味い。材料は梅と塩だけで、塩分15%以上のやつに限る。20%でもいい。これくらい塩分が高いと、常温保存でいつまでも痛まない。たぶん100年たっても。そして梅酢の旨味ったらない。これだけで飯がモリモリいける。梅干しはさすが、昔から万能薬として伝えられてきただけのことはある。乗り物酔いにはヘソに貼り、頭痛にはコメカミに貼ったら本当に効きそうだ。医者と保険会社のwebサイトにでも貼れば、色々手続きがスムーズに行くかもしれない。国会中継の画面に貼れば内閣も(以下略

長い話を短くすると、Post Chemoradiarion PET/CTScanは、早くても来週の水曜日以降になったということだ。外科医とのpre-operative インタビューだったかスクリーンニングだったかも、これに応じて延期だろう。ぐったりと疲れる。

そして職場の機械が直らない。

くじけた。もう挫けた。もういい。

土曜まで禁酒する予定だったけど、今夜は飲むことにした。あと26回の晩飯の、記念すべき第1回目は、鯖の塩麹漬けので焼いたやつだ。本当はこれで玄米ご飯を食べようと思って昨夜から漬けてあるけど、これをツマミに飲む。

あとは新玉ねぎで作ったサラダドレッシングがあるので、これで野菜をモリモリ食うか。新玉ねぎってのはアレだ、安くて美味い素晴らしい野菜だ。旬が一瞬なのが切ない。

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何か写真を載せようと思ってパソコンを漁ったら、10年以上前の写真が出てきた。

あー昔はもう少し丁寧に料理をしてたなぁ!と反省。海老を伸ばすなんて素敵だよなぁ。