『がんになるリスクを下げる5つの食品』
こんな記事をみつけた。
ぜんぶ食べてますが、食道癌になりましたよ。
51歳で。
読んでみると、「大腸がん」か「乳がん」か「肺がん」のリスクが「下がる」としか書いてない。どのがんのリスクがどれくらい下がるのかは分からない。
つまりこれらの食品を摂取しても、他のがんのリスクを下げるというエビデンスは無いということだ。
玄米はもう10年来、圧力鍋で炊いて食べている。美味い。
魚も野菜もナッツもオリーヴオイルも摂取量は多いほうだと思う。
唯一、果物だけはあまり積極的にはとってこなかったくらい。糖質が多いし酒のつまみにならないし。
それで「リスク」がどれだけ下がったか分からないけれど、がんになった。
というか、ほぼ「大腸がん」と「乳がん」のリスクしか書かれていないので、たぶんそれらの食品の摂取消費量が多い国や地域と、そうでないところとの罹患率の比較、みたいな雑な話、でなければいいけど。
食べ物単独で、特定の疾患のリスクが下がるなんて、人間の身体がそんな単純系だとは思わない。
玄米にせよ魚にせよ、農漁村でもなければ白米や肉よりは割高なことが多いし、食べるのに、ひと手間かかる。果物は食べなくても野菜でじゅうぶん栄養のバランスはとれる。むしろ贅沢品の部類だ。
どれも生活に余裕のあるひとの食べ物と言えなくもない。
そういう生活に余裕のある人びとは、健康に気を使い運動や規則正しい生活をするお金と時間があり、危険な物質や環境に曝露されることが少ないであろうという、測りきれない要因もある、と考えるのが自然だ。
どのみち日本人の二人に一人は「がん」に罹り、三人に一人は「がん」で死ぬという数字がある。
「がん」で死ぬのは、医療の発達で他の二大疾患、心疾患や脳疾患で死なくなったからだ。
「がん」のリスクを下げるのも大事だろうけれど、なる時はなる。
道を歩いていて段差に躓くように。これが事実。
好きでそれらの食品を食べているのならまだしも、どれほどかわからないリスクを下げるために、それらを食べ続けるのはあまり意味がないことのように思う。
がんになってしまえば、場合によっては好きなものさえ食べられなくなるかも知れないのだ。
健康でいるあいだは、好きなものを美味しく食べれば良いと思う。
それよりも、がんは可能な限り検査検診に行って、早期発見早期治療が大事だ。
近年、大腸がんが「ステージ I 」で発見された場合の5年生存率は80%で、さらに死亡した20%のうち幾らかは、がんではない別の病気や事故などが死因なのだ。
現場からは以上です。
散歩していたら鹿が居た。