ドイツからの手紙
フランクフルトから手紙が来た。
西ドイツだ。いやいまは東も西も無いけど。
ゼーゼマンさんかロッテンマイヤーさんか?
或いはドイツの資産家が大金くれるってんで手数料振り込めみたいな詐欺のたぐいか。
前者なら素敵なフアンタジイだけど、後者のほうがありうる。
何れにせよ心当たりは無いですよ。
封を切ると、こんな文面のお手紙。
あなた宛の荷物に危険物(リチウムイオンバッテリ)があるので、当局止めになっておりドイツ郵便局ではこれを航空便に乗せられませんゴメンネちゅうお手紙である。
そうだった。
くだんのS○NYタイマー発動事件と前後して、バッテリーの持ちが悪かったので、これを新調すれば復活するのではないかと期待して、ebayなんかであちこち探した挙句に、フランスの会社で8ユーロくらいの格安のバッテリーが見つかってポチッたのであった。
オーダーしてから2週間近くたっており、携帯電話も買い換えてしまったので、このバッテリーはもはや要らないのであるけれども、ああそのうち届くだろうな、というのは頭の片隅に覚えていたところのこのお手紙である。
しかし。
ドイツ(人)って、まじめなんだなぁ、と思わせる文面ではありませんか。
郵便局が I’m sorryって言うんですよ。アイムソーリーですよ。どうもすいませんですよ。謝ってるんですよ。
アメリカでは絶対に考えられませんね。
同様の案件ならばまず手紙なんぞくれずに無視、有無を言わさず廃棄することでしょう。
縦しんば、手紙をくれたとしても、ワシらに非は無いけんね、的な極めて事務的な文面でお知らせしてくるんじゃないでしょうかね。
たとえば We regret to inform you thatみたいな言い回しで。
や、感動しました。ドイツ。
まじめじゃないですか。丁寧じゃないですか。優しいじゃないですか。素敵なハートの在る英語じゃないですか。
春先にシカゴのドイツ的なレストランで、残念なドイツビールとソーセージと冷たいサーモンをお見舞いされて爾来、ドイツにはガッカリだ。こらあかんなと思っていたのだけど、すっかり考え直しましたよ。
ええですやん、ドイツ。
国是は Einigkeit und Recht und Freiheit
統一と正義と自由。
というではありませんか。
(ドイツ語さっぱり知りませんが、たぶん"and" にあたる"und" をきっちり2回使うところなんてイカシますねぇ。)
シリアからの大量の「難民」受け入れは彼らの真面目なところの「正義」なのかなと。難民がドイツを目指すのも解るような気もしますね。
他にやることあるとか何とか、難民問題を移民問題と履き違えて、ぐちぐち小さいこと言うてる総理大臣がいらっしゃる何処ぞの「単一民族」(んなわけないんだけども)国家には逆立ちしても出来ないような気がします。
いやー素敵なドイツ
がんばれメルケル。
けど食べ物きっと不味いんだろうけど。
(これはまた近々検証します。日本でドイツ料理店なんかに行くチャンスあるかな。)