断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

Jury Duty

陪審員候補者としての召喚状が届いたので、裁判所に行ってきた。市民になって2度目、3年か4年ぶり。

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月曜日の朝9時までに出頭せよ、というので、通勤ラッシュ時のメトロに乗る。夏休み時期だというのに、結構混んでる。

 

 

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交通の便がよいのは有り難い。前に住んでいた州のCountyは広くて1時間くらい運転して行った記憶がある。

 

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裁判所に着くと、Juror Assembly Room なる部屋に通され、オリエンテーションがあった。陪審員に選ばれたら、案件についてニュースなどを検索してはいけないとか、外部のものと話してはならないとか、そんな注意など。

 

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そして現金$30が支給される。Jury Dutyは報酬を得る仕事ではなく、「Civic Duty」であるから、ということだろうか。あくまでも交通費と軽食代程度。日本の裁判員の日当(聞く所によると1万円程度?)とはえらい違いである。

時給や日給で働いている人たちは、この程度で最低半日は拘束されてしまい、そのぶん収入減となるのだから、陪審員候補として呼ばれて喜ぶ人は、暇をもてあましている人か、裁判好きの人に限られるのではないかと思う。しかもこのCountyでは、月曜から木曜までの4日間、前日の夕方に裁判所のウエブサイトをチェックして自分の陪審員候補番号を照会して、選ばれていれば翌朝行かなければならないのである。つまりその週の月曜から木曜日までの4日間は全く予定が入れられない。

70歳以上であるとか、小さい子供が居て、面倒を見るのが自分しか居ないなどの場合は免除になるけれど、仕事が忙しい、長期旅行の予定がある、などの理由では免除とはならず、日程が延期されるだけで逃れられないのである。

 

(法廷内は撮影禁止なので写真はありませんよ。)

さて、月曜にJuror Assembly Roomに集まったのは20人ほど。

・・・少ない。前の州では大きな部屋に100人ほどは居たのに比べて、格段に少ない。

ここは小さなCountyというのもあるけれど、夏休み時期でやはり裁判自体が少なくて、この日は1件しかないとの事。

これが何件も裁判があれば、どんどん陪審員が選ばれていき、終日裁判所に残らなければならない可能性が高いのだけれど、裁判が1件だけとあれば、選ばれずに、帰宅して宜しい、となる可能性のほうが高い。

全員が法廷内に呼ばれる。

銃を携帯した、ごっついSheriffが居る。立ち上がって宣誓。

法廷内の候補者20数名から、裁判所側が13名ほどを無作為に選んで名前を読み上げる。

・・・5人目に選ばれてしまった。

案件は民事訴訟。

犬に噛まれた女性が、飼い主を訴えたもの。

判事補が、「この事件について直接または間接的に知っているか、原告、被告、または証人と知り合いか、利害関係にあるか?」と陪審員候補者に聞く。

これにイエスと答えて、公平な評決が出来ないと判断されれば、そこで陪審員候補者から外されるのである。小さなコミュニティでは無い話ではないだろうな、と思う。

実際、この日呼ばれた陪審員候補者の中に、数年前に職場を退職した人を見かけたから、It's a small world 小さいコミュニティなのである。

次いで双方の弁護士が質問。

犬を飼っているか?という質問は分かるけれど、持ち家か?という質問は何故だったのだろう、飼い犬の管理か何かだろうか。

案件は民事なので、これらの質問を元に、双方が有利となりそうな陪審員を候補者13名から最終的に6名選定して確定するのである。

うーん、選ばれるのも興味深いが、選ばないでくれても有り難い。

最終の6人には・・・選ばれなかった。

原告被告どちら側が外したのかは不明。理由も不明。極私的には、犬は大好きなので、よほど飼い主の躾が悪いか、咬まれた女性側が意地悪をしたのか、ボンヤリ考えたけれど、犬も色々なので分からんなぁ、という顔をしてたからだろうか。

判事が、「残って裁判を見学するもよし、帰ってもよし、夕方に裁判所のウエブサイトをチェックして、明日出頭の要があるかどうか確認すること」と言う。

残って見学してもよかったのだろうけれど、なんだか疲れてしまったので、帰宅することにした。見たところ選ばれなかった候補者は全員帰宅。

この時点で11時半。

このあと裁判が始まり、昼食休憩を挟んで夕方まで裁判があったのだと思う。

 

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裁判所が「この人は確かにこの日に陪審員候補者として裁判所に来ましたよ」という証明書を発行してくれる。これを職場に出して「公休」にして貰う。

 

次に呼ばれるのは3年過ぎたあと、また無作為に選ばれるのだという。・・・これが民事でなくて殺人などの刑事事件案件であると、裁判も数日から数週間に及ぶこともあるというから、これまた大仰な話になってくる。もっとも此処は、比較的治安の良いCountyなので、そういった裁判は少ないという話ではあるけれど。