断・胃食道亭日乗。旧「宇宙日記。宇宙にはぜんぶある。」

(消防署のほうから来ました。) 食道胃接合部癌→術後肝転移(Stage IV)のヲッさんの暮らし。

「アル中病棟」と「失踪日記」(吾妻ひでお著)

 

失踪日記2 アル中病棟【電子限定特典付き】

失踪日記2 アル中病棟【電子限定特典付き】

 

 やっぱり買ってしまいました。日本のアマゾンから取り寄せ(Kindle版しかリンクが貼れないけど、買ったのは紙の本。)とうぜん同時にポチったのは、

失踪日記

失踪日記

 

 「失踪日記」(吾妻ひでお著)2冊、送料が$10ほどで、総額$35くらい。実は西海岸にあるネット販売する某日本書店さんよりも安い。航空便で3日で届きました。凄い時代になりましたね。

2冊とも漫画です。このおかたの漫画は、わたくしたぶんリアルタイムで70年代の後半に見てます。とはいえ、週刊や月刊漫画など買えるほど潤沢なお小遣いは貰っていなかったので、床屋で漫画雑誌一気読みするときに読んでた程度ですが。独特のタッチとご自身キャラは、懐かしくもありました。

さて、内容。さいしょに「失踪」日記から読んだのですが、そのあと8年後に出版されたのが「アル中病棟」のようです。抱えきれないほどの仕事からストレス、スランプに陥り、失踪。ホームレス生活をするも、肉体労働などをして生活してるんですね。その後また失踪して…連続飲酒に陥り、家族に連れられて強制入院という流れです。

「失踪日記」はそのご自身のホームレス時代のエピソード、「アル中病棟」は入院から退院するまでの3ヶ月間ほどの断酒プログラムの体験や、病棟や断酒ミーティングで出会った「アル中」の人々の様子が書かれています。著者自信も「書けない話もあったし、あえて明るく描いた」と後に語っているように、明るい漫画っぽいですが、内容はなかなか重いです。

これまで、「上を向いてアルコール」(小田嶋隆著)「アル中ワンダーランド」(まんしゅうきつこ著)そして「アル中病棟」(吾妻ひでお著)と、自他共に認めたアル中、もといアルコール依存になり、治療して戻ってこられた(踏みとどまっておられる)方々の3冊を通読して、興味深い知見が得られました。お三方に共通しているのは、

  • 時間に融通が利く、自宅でひとりで仕事をしている。つまり連続飲酒に陥りやすい環境があった。連続飲酒は既にアルコール依存。
  • 幻覚や幻聴を経験する。
  • 本人自身がアルコール依存を学習して抜け出す努力をして、かつ家族や周囲のサポートが得られたことにより、断酒を継続できている。

…などなどです。これもまた酒飲み必読の書。

 

(おまけ)

巻末の、とり・みき氏との対談で明かされているのですが、「アル中病棟」で、とり・みき氏が背景を手伝っているページがあるそうで、見る人が見たらすぐに分かるんでしょうけど、私には。あ?このページかなーっと思うだけで、確信がもてません。どのページかな。